更年期障害予防にカルシウムを!

更年期には、ホルモンのバランスの乱れにより、カルシウムが骨から溶け出して、骨粗鬆症にかかりやすくなります。
ですから、更年期にはカルシウムを意識して積極的に摂取することが大切です。
通常成人では1日600mg以上のカルシウムを摂取することが望ましいとされていますが、更年期の時期には1日800〜1,000mg取るように努力しましょう。

●カルシウムの補給源

カルシウムを多く含む食材には以下のものがあります。
カルシウムの代表的な食材は牛乳や小魚ですが、その他あまり知られていませんが大豆や緑黄色野菜、海藻にもたくさんカルシウムが含まれています。


牛乳・乳製品に含まれるカルシウム量
・牛乳(200ml 1パック) … 200mg
・ヨーグルト(加糖大さじ6 100g) … 120mg
・プロセスチーズ(1切れ20g) … 126mg


小魚類に含まれるカルシウム量
・いわし丸干し(中2尾 30g) … 280mg
・煮干し(5〜6尾 10g) … 220mg
・しらす干し(大さじ3強 20g) … 106g
・いわし缶詰(油漬け1/2缶 55g) … 220mg
・わかさぎ(小5〜6尾 50g) … 375mg
・ししゃも(2尾 50g) … 95mg
・干しえび(10g) … 230mg
・たたみいわし(3枚 10g) … 97mg


大豆・豆製品に含まれるカルシウム量
・豆腐(木綿1/2丁 150g) … 180mg
・生揚げ(1枚 200g) … 480mg
・油揚げ(1枚 25g) … 75mg
・納豆(1パック 50g) … 45mg
・凍り豆腐(小1枚 20g) … 118mg


緑黄色野菜に含まれるカルシウム量
・小松菜(1/4わ 80g) … 232mg
・かぶの葉(2株 70g) … 162mg
・チンゲン菜(ゆで1株 80g) … 112mg
・野沢菜(小皿1盛り 30g) … 52mg
・京菜(小1株 80g) … 120mg


海藻・乾物類に含まれるカルシウム
・干しわかめ(1/4カップ 5g) … 50mg
・干しひじき(大さじ2 10g) … 140mg
・切り干し大根(1/5カップ 10g) … 47mg


●カルシウムの吸収率を高めよう

カルシウムが体に吸収されるには、ビタミンDやマグネシウムといった栄養素が必要となります。

ビタミンDは、カルシウムが小腸から吸収されるのを促進します。
卵やレバー、干ししいたけ、さけ、かれい、にしんなどの魚に多く含まれ、また日光を浴びることで体内で合成されます。

マグネシウムは、血液中のカルシウムの作用を助ける働きがあります。
ただし、カルシウムとマグネシウムはバランスが大切で、どちらか一方を取りすぎると、もう一方が減少してしまいます。
カルシウムとマグネシウムがバランス良くとれていると、神経を安定させてイライラ解消に効果があります。

更年期障害に植物エストロゲン「レッドクローバー」

レッドクローバーは、ヨーロッパでは古くからハーブティーなどの方法で健康のために用いられ、現在では更年期障害や婦人薬として、医薬品として使用されています。
レッドクローバーには、女性ホルモンであるエストロゲン様作用を持つイソフラボンを多く含んでいるので、更年期障害の治療薬として注目されています。

●レッドクローバーイソフラボンと大豆イソフラボンの違い

一般的な大豆イソフラボンは、グリコシド型と呼ばれるイソフラボンで糖がついているため、腸内細菌により糖が外されてアグリコン型のイソフラボンにならないと腸から吸収されません。
そのため、腸内環境によって吸収率が左右されてしまいます。
一方、レッドクローバーイソフラボンは、糖がないアグリコン型のイソフラボンが豊富なので、腸内細菌に関係なく直接腸から吸収されるので、吸収率が高いのです。

また、レッドクローバーには4種のイソフラボンが含まれていますが、そのうちのバイオカニンA、フォルモノネチンと呼ばれるイソフラボンは、大豆には含まれないイソフラボンです。
この2成分は選択的エストロゲン調節物質と呼ばれ、エストロゲン拮抗作用と促進作用の両方を併せ持っていますので、必要量以上は尿中へ排出されることで体内のエストロゲン量を適正に保ちます。

レッドクローバーは、イソフラボンだけでなく、ポリフェノールも多く含んでいるので、その抗酸化作用にも注目されています。


更年期障害にエストロゲン様作用を持つ「大豆イソフラボン」

●大豆イソフラボンのエストロゲン作用

大豆イソフラボンは、大豆の胚芽に多く含まれる成分で、フラボノイドの一種です。
大豆イソフラボンには、女性ホルモンであるエストロゲン様の作用があり、自然界に存在する植物エストロゲンの1つとして更年期障害骨粗鬆症の予防、軽減に有効であると言われています。


●食事から取れる大豆イソフラボン量

大豆といえば、豆腐やみそ汁、納豆などの大豆食品として、食卓におなじみの食材ですが、大豆イソフラボンは、大豆全体の0.2%しか含まれておらず、その上食生活の欧米化の伴い、その摂取量は年々減少しています。

また、大豆や大豆食品に含まれる大豆イソフラボンのほとんどは、大豆イソフラボン配糖体として存在し、腸内細菌によって分解されて、糖部分が取り除かれた大豆イソフラボンアグリコンという形にならないと腸から吸収されません。
ですから、人それぞれの腸内環境の違いによって、イソフラボンの吸収性にバラツキがあります。


●大豆イソフラボン摂取量の制限

大豆イソフラボンは、自然界に存在する植物エストロゲンですが、多量の服用により副作用の懸念もあります。
そのため、1日に摂取する大豆イソフラボンアグリコンの目安量の上限を70〜75mgとされています。
日本人が、日常の食事から摂取している大豆イソフラボンアグリコンの1日量は16〜22mgとされていますので、サプリメントとして服用する場合は、より安全な1日目安量として30mgとされています。


●大豆は栄養の宝庫

大豆は「畑のお肉」と呼ばれているように、低脂肪で良質なたん白質を豊富に含んでいます。
また、食物繊維、ミネラル、ビタミンなども含まれており、日本人に不足しがちなカルシウムの供給源としても有用な食品ですので、栄養のバランスを考えるとサプリメントとして大豆イソフラボンを摂取するより、日常の食生活での摂取が理想的です。

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